愛しのアイリーン(新装版)/新井英樹

愛しのアイリーン[新装版] 上

愛しのアイリーン[新装版] 上

東北のど田舎のパチンコ屋で働く中年童貞男の岩男。ボケた父親とヒステリックな母親とともに細々と暮らしているが、ある日一大決心をして国際結婚斡旋所を通じてフィリピンへ妻を買いにいく。当然のことながら受け入れられるはずもなく…
新井英樹さんの作品。「THE WORLD IS MINE」「宮本から君へ」に続いてどんどん新装版が出版されています(ぼくはどの作品も好きです)。この「愛しのアイリーン」も読み終わったあとにボカンと殴られたような衝撃が残ります。
アイリーンの閉鎖された田舎暮らしへの嫌悪と夫への不信状態から「手こき」の習慣ができるまでみっちり描いていて素晴らしいと思いました。またはじめて裸で抱き合って「おメがしみごむみてえだ」としみじみ言うシーン(しかも田舎のラブホテルで!!)はなんだか不思議と浮いていて良いシーンだと思いました。とくに後半から物語が動くので、下巻も買って読んでくださいね。