女子校育ち/辛酸なめ子

女子校育ち (ちくまプリマー新書)

女子校育ち (ちくまプリマー新書)

ちょっとした縁がありまして、読ませていただきました。
冒頭でさらっと女子校をタイプ別に分けている図がとてもおもしろい。じぶんの姉や友人などを照らし合わせてみると、なるほど、という印象。たとえば、雙葉の卒業生の女性が身近にいますが、話をきくとたしかに別世界のようなお嬢様のなかで過ごしていたりします。なんというか、ぼくからみると、上品さがにじみ出ているというか…。また豊島岡の友人も、運針をやっていたような地道さもあってのガリ勉タイプで、いまもコツコツと資格を生かした仕事をみつけるために苦労しています。そういうのを、ばさっと出身校で切り分けているのは、興味ぶかいです。
そのほか、セーラー服の下でウェストをベルトでしめつけて寸胴体型にみせないテクニックなどは、男子校出身者としては知らない世界でした…(身近な元セーラー服女子にきいてみたら、かなり当たり前のことのようでしたが)。
注意していただきたいのは、あくまでもこの本は「女子校育ち」の人を論じているわけで、現在の女子校像を論じるものではないことです。途中で挿入されていたインタビューにも載っていましたが、いまの女子校はもうすこしアニメの影響が色濃くでているのでは…と思います。
男子校出身者としては、女子校育ちの生きにくさに共感するところもあり大変たのしく読めました。