マッピングナイト2@TOKYO CULTURE CULTURE


石川初さん/渡邉英徳さん/大山顕さんのイベント。なんと4時間半の長丁場に…(しかも終わりきらずに強制終了気味でした)。
いろいろと面白い話はあったのですが、ぼくはGPS地上絵で知られる石川初さんの話がしびれました。GPSで絵を描くために歩くことは、「地上の原理とは全くちがう原理でうごく経験」で、いつもとはちがう「地面とのコミットメント」だそうです。それはじぶんだけがちがうまちを見ているようで「この世にいないような感覚」を得るそう。
ぼくは石川さんのファンですが、GPS地上絵はただ新しい表現のアイデアとして面白い試みだと理解していました。でも、じつは身体体験としてあたらしい感覚も生まれている…というのを知ってますます面白く感じました。だんだんと絵になることを理解しながら歩くと、まったくちがうまちの風景が浮かび上がってくる…というのは本当にすごい。GPSログがほんとうに愛おしいような感覚。「ここがしっぽ!」「ここが目!」などと言って書いているそうです。石川さんが「アクチュアルとバーチャルを翻訳する手段をもたないといけない」とおっしゃっていましたが、GPSをもって歩くことはまさにそれだということがよく分かりました。
また、地図が実は政治的なもので「社会制度の写像」であることはしばしば社会学者によって語られるところだと思いますが、それをGPSログが画面に描かれていく様子からも見出すセンスに感動しました。ぼくたちはふだん自分が「地図の上を歩いているような錯覚」を感じていますが、じつはそれは地図の力に捩じ曲げられた(影響された)地形の理解なのですね。
また後半に語られていた、都市での生存スキルの話も大変面白かったです。都市はホームレスを排除しようとするあまり、非常時にわれわれに牙を向く可能性がある、とのこと。それを「抗菌防臭都市が生物多様性を排除している」といっています。(たとえば「床(内)のようで屋外(外)」の場所であるベンチはそれが如実に現れています)その上でホームレスの方は狩猟採集民族的でじぶんたちとはちがったスキルともっているとのこです。このへんは坂口恭平さんの『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』にも通じる話かと思います。
ほかにも大山さんや渡辺さんの話もおもしろかったです。もう、4時間半あったので、ちょっと書ききれないですが…。また行きたいとおもいます。やー、いちど新年の書き初めにも参加してみたい…