新ソーシャルメディア完全読本/斉藤徹

ループス・コミュニケーションズの斉藤さんの本。よくブログを拝見させていただいていますが、最新の事例をとても分かりやすくまとめられています。この本もソーシャルメディアをテーマにきれいにまとめてくれています。全体のレベルは初級者向けに簡単に書かれていますが、事例の部分ではところどころ知らない事例やエピソードがあり、楽しく読めました。
マーケティング3.0のくだりは大変分かりやすく説明してあります。三河屋のサブちゃんをサザエさんが利用し、周囲にリコメンドする構造。ブランドを体験しながら、そのブランドの協力者として参加・貢献させるマーケティング。概念として分かっていましたが、サブちゃん話なんかはすっと腹落ちします…。あと関与商材とソーシャルメディアごとの強みのまとめマップは大変分かりやすいです。
また、一時期よく出ていましたが、"Natural Born Clicker"のデータは大変重要なデータだと思います。これを見るとぼくらがベンチマークしているPV数とは何なのかについて考えさせられます。

バナー広告の総クリック数の67%は,利用者全体の4%のユーザーによる
バナー広告の総クリック数の85%は,利用者全体の8%のユーザーによる
利用者全体の84%のユーザーは,1度もクリックしなかった

話はズレますが、参加を促す、という意味ではマーケティング3.0はまちづくり施策ににているところがあるとぼくは考えています。ただ知ってもらう・楽しんでもらうだけでなく、その作り手を増やさないといけない。だけど面白くないとだれもやらない。モチベーションを維持するために参加型のゲームやワークショップをやるが、短期的だと意味がないし、楽しさを求めてあまりブランドと離れたモチベーターを作っても仕方がない…。けっこう話として近く、お互いにヒントになるかなと思っています。今後はどのようなモチベーターを作るべきか、その在り方(バランス)が探られていくようになると思います。