オレンジ・アンド・タール/藤沢周
- 作者: 藤沢周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/12/09
- メディア: 文庫
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反抗か、順応か。それとも社会からスポイルされてだめになっているのか。もしくはそれを拗らせているのか。そんな時間が、もしかしたら誰にでもあるのじゃないかと思う。それを馬鹿にして、さっさと済ませてしまうか、トモロウや若林のようにずっと抱えて生きていくのか。馬鹿真面目で、不器用、でも自分でも自信が持てない。自分がわざわざ損してしまうような人生哲学。そういえば、ぼくにこの本をおすすめしてくれた同級生も、ジーパンにパンクバンドのTシャツ、それにヘッドホンをつける、いかにもモテないスタイルで、ジーパンの後ろポケットには純文学の文庫本をさして歩いていた。彼なりの反抗、彼なりの拗らせ方だったにちがいない。